ホームへ トピックスへ 会員広場 お役立ち情報へ SSMとは SSMカレンダー サイトマップ

   机上メモまだ白きままの三が日         吉屋信子

吉屋信子といえば戦前の少女小説華やかなりしころ盛んに活躍した作家です
お正月の三が日は普段原稿に追われている作家にとってはやっとのんびりと過ごすことが出来た楽しい三日だったのでしょう。そのことがメモの空白にあらわれています。初春の光に満ちた野には沢山の凧が思い切り高く揚り路地には追羽根をつくのどかな音、えんえん続く手毬唄、古き良き時代のお正月の風景がよみがえります。ゆっくりとした時間が過ぎていったのですね。

今月のお題は「光」でした。いみじくも宮中のお歌始めのお題と同じでした。
新年の希望あふれる光を詠いこんだ句もあり、日常の一こまに一瞬輝いた光もありました。色んな光が差し込んだ一月の俳句でした。

             写真「 冬木立」 東 公子     コメント 棗


 冬木の芽末席ながらの存在感

 戦いの止まぬ国あり初茜

 初入り日 光の橋を産み出せり


 やはらかき光に笑ふ薄氷

 母の手に重ねて祈る初明かり

 福笑口はみ出して誰に似る

    
なほ

 霜晴て子犬の鼻も光おり

 大海鼠輪切りにしたる海の色

 初鏡言いたきことは胸の内


 新春の中学駅伝海の町

 寒晴れや澄みし光の参道へ

 公園のベンチに手袋ひとつだけ

    
せしる

 しめ縄の滴の光り手を合わす

 おみくじを寄り添い読むや初詣

 いつの間に花数増えて春近し

美遊

 群雀光ついばむ寒日和

 寒桜咲き初むと聞き回り道

 愚痴ひとつ猫にこぼすや四温晴


亜うる

 木漏れくる斑の光日脚伸ぶ

 白きもの多くなりたり初鏡

 片や買ふ片や納める破魔矢かな

一汝

 冬帽子ラストシーンは逆光で

 去年今年アラビア文字の大時計

 「考える人」の頬杖寒鴉

酔芙蓉TOPへ